くるまっさのブログ

資格試験や大学院入試の対策方法の紹介を中心としたブログ、でしたが最近はいろいろ。

アイデアのつくり方, ジェームス・W・ヤング, CCCメディアハウス, 1988



こんにちは、くるまっさです。


今日は、「アイデアのつくり方」という本をご紹介したいと思います。



この本は、タイトルの通り、”アイデア”をどうつくり出すか、という方法を提示しています。特にクリエイティブに携わる人間であれば、”アイデア”をつくり出すことの重要性と難しさを日々実感していることと想像します。

かくいう私も、アイデアづくりには日々悩まされています。近々起業する予定であり、常に「どのような方法で世の中に価値を提供するか?」ということを考えています。

※私の起業については、いずれ詳しくご紹介できると思います

 

 

本の特徴


さて、この本は大手の広告代理店で入社時の研修教材としても使われたことがある(と、どこかの本で読みました)というほど、有名です。

私が思うに、この本の面白いところは2つあって、

まず第一に、「アイデアのつくり方」という、一見方法など存在しないようなものについて、解説がなされているという点。
そして第二に、ものすごく(物理的に)薄いという点です。


後ほどご紹介しますが、この本では、アイデアの作られる過程には5つの段階があるとしています。それぞれについて、具体例を交えながら丁寧な解説がなされています。そして、この方法は広告業界だけでなく、自然科学や、さらに広い分野に対して適用できる、と解説ページで竹内均さんが述べています。アイデアつくりに悩む全ての人に、この本は極めて有用であると思います。


加えて、この本は極めて薄く、本文は62ページ目まで。解説や訳者あとがきを入れても、わずかに100ページです。それでいて、内容は極めて濃厚です。

お値段も800円と、手ごろです。



イデアのつくり方


紹介されている、アイデアのつくり方を簡単にご紹介したいと思います。

まず、5つの段階を下に示します。


  1. 資料集め
  2. 集めた資料の咀嚼
  3. 放置
  4. イデアの実際上の誕生
  5. 具体化と展開
 
 
 
いくつか、ポイントを挙げましょう。
 
まず、資料集めについてですが、これは軽視されがちであるが極めて重要であり、その理由は、「アイデアとは要素の新しい組み合わせ以外での何物でもない」という原理によるとしています。
 
そして、集めるべき資料には2種類あり、広告のアイデアについて言えば、「製品と消費者に関する特殊知識」「人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識」であるとしています。
 
 
資料集めの段階を過ぎると、それを理解し、そして放置するという流れになります。当然、何も考えずに問題を放置したところで、何かが生まれる可能性は期待できませんから、資料を咀嚼する段階についてもしっかりとリソースを投下する必要があると言えるでしょう。
 
放置する段階において、重要なのは「問題を完全に放棄してなんでもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに諸君の心を移すこと。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることである。」(P. 48, L5)としています。そして、ここまでの段階を十分に踏んでいれば、自然とアイデアが生まれると述べています。
 
 
 

紹介されている推薦図書

 
この本の最後で、著者は「このアイデア作成過程のすべてについて諸君に理解を深めるのに役だつ三冊の書物」(P. 62, L5)を紹介しています。それを、以下に示します。
 
 
  • グラハム・ワラス、「思考の技術」
  • H・ポアンカレ、「化学と方法」
  • W・I・B・ビーバリッヂ、「科学的研究の技術」


 


終わりに

 
この本では、「アイデアとは要素の新しい組み合わせ以外での何物でもない」という点が繰り返し強調されます。これは、新規事業立案に関する書物にも良く書かれていて、「真のオリジナル」を生み出すことの難しさ(あるいは、非存在)を示しているといえます。
 
 
この本を読んで、すぐに新規事業のアイデアが浮かんでくるとは考えていませんが、まずは「資料集め」の段階から、愚直に進めていきたいと思います。


 



それでは、また!